自閉症(自閉スペクトラム症:ASD)と「鉄分」には、近年、医学研究の分野でも注目されている深い関係があります。
一言でいうと、**「自閉症を抱える子どもや成人は、健康な成人に比べて体内の鉄分(特に貯蔵鉄であるフェリチン)が不足しやすい傾向がある」**という点です。
なぜ鉄分が関係しているのか、主な理由を3つのポイントに整理しました。
1. 脳の発達と神経伝達に鉄分が不可欠だから
鉄分は、血液をつくるだけでなく、脳の神経ネットワークを発達させたり、情報を伝える物質(ドーパミンやセロトニンなど)を作ったりするために絶対に欠かせない栄養素です。
脳が急激に発達する乳幼児期〜児童期に鉄分が不足すると、脳の機能や睡眠の質、認知発達に影響を及ぼす可能性があると言われています。
2. 偏食(感覚過敏)による鉄分不足が起きやすいため
自閉症の特性として「食感」「におい」「味」に対する強いこだわりや感覚過敏(偏食)を持つケースが少なくありません。
特に鉄分を多く含むレバー、赤身の肉、魚、一部の野菜などは、独特のクセや硬さがあるため嫌がられやすく、食事から十分な鉄分を摂取できずに慢性的な鉄不足に陥りやすいという背景があります。
3. 不安、イライラ、睡眠障害を悪化させる原因になる
1. 不足しがちな4つの重要栄養素
① 鉄分(特にフェリチン)
先ほどもお伝えした通り、脳の神経伝達物質(ドーパミンなど)を作るのに必須です。不足すると**「イライラ」「パニック」「睡眠障害(寝付きの悪さ、夜泣き)」**に直結しやすいため、最優先で意識される栄養素です。
② ビタミンD
近年の研究で、ASD児は健康な児に比べて血中のビタミンD濃度が有意に低いことが多く報告されています。ビタミンDは脳の発達や免疫システム、睡眠の質に関わっています。魚や日光浴から摂る必要がありますが、偏食やインドア傾向があると不足します。
③ 亜鉛(あえん)
味覚を正常に保つために欠かせないミネラルです。亜鉛が不足するとさらに偏食が悪化するという悪循環に陥ります。また、成長発育や情緒の安定にも深く関わっています。
④ マグネシウム
脳や神経の興奮を鎮め、筋肉をリラックスさせる働きがあります。不足すると**「多動(じっとしていられない)」「過敏さ」「寝付きの悪さ」**が目立ちやすくなります。カルシウムとのバランスが重要です。
2. 脳と腸をサポートする栄養素
⑤ オメガ3系脂肪酸(DHA・EPA)
青魚などに含まれる油で、脳の神経細胞を柔らかく保ち、情報の伝達をスムーズにする役割があります。**「集中力」や「多動の落ち着き」**へのアプローチとして、海外のサプリメント療法でも定番の栄養素です。
⑥ 乳酸菌・ビフィズス菌(腸内環境ケア)
「脳腸相関(のうちょうそうかん)」という言葉がある通り、脳と腸は深く繋がっています。自閉症の方は、便秘や下痢などお腹のトラブルを抱えている確率が非常に高く、腸内環境が悪化するとセロトニン(幸せホルモン)がうまく作れず、精神的な不安定さに繋がると言われています。
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